告知とか。
ブログの方のあまりの更新してなさに青ざめた。
THANATOS7『立花美樹の反逆』近日発売!
(※長編書き下ろしです。短編集じゃありません)
詳しくは講談社の告知サイトを!
そして今年のエイプリルフールはこっちだ!
(もういろいろ面倒くさいのでpixivにあげた。どこまで信じるかは貴方次第!)

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ブログの方のあまりの更新してなさに青ざめた。
THANATOS7『立花美樹の反逆』近日発売!
(※長編書き下ろしです。短編集じゃありません)
詳しくは講談社の告知サイトを!
そして今年のエイプリルフールはこっちだ!
(もういろいろ面倒くさいのでpixivにあげた。どこまで信じるかは貴方次第!)
新宿紀伊國屋本店様が凄まじいことになったので、大阪でもサイン行脚することになりました。
前回と同じく担当さん不在で姉を引き連れて梅田の端から端まで歩き回ることに。
紀伊國屋書店梅田本店様、旭屋書店本店様、ブックファースト梅田店様、梅田2階店、ジュンク堂書店大阪本店様、文教堂新大阪店(ブックストア談)様、以上6店舗に『空を飛ぶための三つの動機』サイン本を置かせていただきました。
ジュンク堂様には文庫パラクロ・まごころサイン本、ブックファースト梅田2階店様・ブックストア談様には色紙(非売)も置かせていただきました。
ちなみに新宿のときと書いてあることが違います。汚いなさすがこるものきたない。
英語のスペルを勢いよくミスったような気もします。
ごめんね、ぼくちょっと馬鹿なんだ。
練習したくせにのっけから「蟹工船」が書けなかったりもしました。
蟹の字も難しいが気を抜くと「船」が意外にゲシュタルト崩壊するという二重三重の罠。
鮎川賞パーリィだ! 俺がもらったわけじゃないけど!
というわけで新宿紀伊國屋書店本店様に『空を飛ぶための三つの動機』サイン本を置かせていただきました。
何と店員さんお手製のTHANATOS小冊子無料配布中!
こるものさんもコメント書いたよ!
皆サイン本買ってね!
……と言いたいところだけど。
ツイッターで宣伝したら2時間で瞬殺でした。
仕方ないので次の日、もっかいサインしに行きました。
てか在庫がないので編集さんが講談社にあった在庫持ってってサインしました。
それも昨日売り切れました。
新宿紀伊國屋本店様、新書部門の売り上げ2位に。
ノベルスではなく新書。
ていうか文芸書がトビウオしかないよ……?
今年最初に引いた六波羅蜜寺の四柱推命おみくじの効能が出始めたのか……
ありがたくも恐ろしや。
ていうか全部事後報告だぁ!?
THANATOS6『空を飛ぶための三つの動機』講談社ノベルスより10月刊行予定です!
先駆けて、お試し読み用として「Three wise men of Gotham,」の章をババーンと! ネット公開!
……いや、書きすぎた遭難シーンがページ数を圧迫してほとんどボツになっちゃったから勿体ないからこれはこれで、ということで。
ものっそい勢いで本編に続く! 状態です。
彼らの戦いはこれからだ!
PDF版(789.5K)
プレーンテキスト版(青空文庫体裁)(34.8K)
それはそれとして!
汀こるもの『真かまいたちの夜 11人目の訪問者』に参!!!戦!!!
まだ公式には情報出てないけどファミ通に載ってるよ!
このどうしてこうなった感溢れる豪華執筆陣、乞うご期待!
名古屋港水族館・しながわ水族館・アクアマリンふくしまに行ってきました。
(名古屋港だけ7月)
写真はこちら。
名古屋港水族館
しながわ水族館
アクアマリンふくしま
総評:
・古き良きゲテモノとしての水族館・しながわ。水族館といえばこう。
・スタイリッシュで意外と地力もあるが構造で損をしている名古屋。意外って言うと失礼だったか。
・既に「環境水族館」が概念のレベルに達しているアクアマリン。しかし圧倒的な物量不足ゆえに本来のスペックを生かせず寂しいことに。やっぱり再オープン早すぎたって……
この順番には意味がある。
実は、館内が暗い順。
ほとんど自然光が入らないしながわ→後半になるにつれ自然光が入り世界の広がりを見せる名古屋港→冷暖房効率を心配するほどスッカスカに天井付近が空いているアクアマリン
たとえ天気が曇りでも天窓から自然光が射すとそれだけで水槽の表情が一変する。
今、江ノ水も美ら海も天井を開けまくっている。
ただしこれ、やる方は結構大変。
というのは水槽の温度を保つのが難しいし、日光は蛍光灯よりはるかに植物を活性させる力がある……メチャメチャコケが生えるのですげー掃除しなきゃいけない。
一人が提案してもできない展示。
しかもこれは設計でミスるとお寒いことになる。
名古屋は結構すごかったのだがスロースターターすぎた。
江ノ水とか美ら海とかはわりと最初からガツガツ陽光を当ててくる。
さてこの事態に、しながわはどうするか。
膝を抱えて悔しさに打ち震えるだけか。
そんなことはなかった。
老舗しながわ・渾身の反撃!
「なんちゃってナイトアクア」
夕方、早い時間に館内の電気を落とし、客に懐中電灯を持たせて魚を探す。
人は懐中電灯で何かを探すと無闇にドキドキする。
子供も大人もはしゃぐ。
・ナイトアクアをやれば盛り上がることは皆知っている
・夏は水族館のかき入れ時
・しかし夏は7時くらいにならないと暗くならない
・客は夕方最後のイルカショーが終わるとさっさと帰ってしまう。イルカショーのプログラムはイルカの体調に合わせているのでそう簡単に変えられない
・いくら営業時間を延ばしても7時まで残る客はほとんどいない
自然光の入らないしながわでは客が帰る前に電気を消すだけでいい。
後輩には負けてられないなしながわ!
……ところでこるものさんはしながわ水族館は3回目なのに、駅からの無料送迎バスがあるなんて初めて知ってくずおれた。
しながわ駅から馬鹿正直に歩いてたよ……
どうでもいいことだが、「水族館来たの初めてです」という同行者に
「イルカショーでイルカが芸をするのは当たり前。
見るべきはイルカが失敗したとき、司会のお姉さんがどうごまかすかだ。
動物は空気読まないからな!
ちなみに江ノ水のトリーターさんによると、イルカの息はメッチャ臭く、客に向かってタンを吐いてくるからコミュニケーションには注意」
と厳しい現実を投げつけてしまい少し反省している。
名古屋港もなかなか面白かった。
象徴するのは、光の海を泳ぐペンギンたち。
鳥は光に引き寄せられるので水中に光源を置いてアクティブに泳がせるというもの。
飼育動物はどうしても運動不足になるので、泳いでもらってストレス解消にもなる!
またここは熱帯の海水槽がものすごく巨大で自然光で明るい中にガッツンガッツンありえない種類を混泳してあるのがものすごい見応え。
よくよく見ると、擬岩で仕切って魚が不適切なゾーンに行かないようにしている。
アクリルで仕切るよりずっとおされ。
水ガメ類の人工繁殖の実績もすごいし、十分に個性的で地力もある!
……海獣から始まってなければなあ。
北館と南館があんなに離れてなければなあ。
そして本命アクアマリン。
……これはもう、圧倒。
温室風のところにアクアテラ水槽を置くのは二見シーパラダイスに似ているが、次元が違う。
……ていうか普通、海水でアクアテラやんねえし。
「何でこの魚がアクアテラ!?」
「何でこの魚が混泳!?」
ただただ圧倒。
これまでの水族館を革命した、確かにそうだ。
計算しつくされた設計、水槽レイアウト、全てが斬新で完璧。
トンネル水槽だってただの円柱じゃない。
三角。
円柱状のトンネル水槽は魚眼レンズみたく歪んで見えるのでちょっとどうよ、という感じなのだなあ。
しかし……魚の数が少ない。
明らかに「近所でかき集めてきました」「ペットショップで買ってきました」というものが多い。
あのサイズの水槽にラスボラしか入ってないとかありえねーだろ……
ここで悲しいアクアマリンの裏事情を。
アクアマリンは、東北・関東大震災で水槽・器具類はそれほどの被害をこうむっていない。
(※アクアマリンえっぐ・うおのぞき・保護センターを除く)
――設備は無事だったが、機械を動かす動力がなかった。
といっても水族館には緊急時の際の自家発電システムがある。
この電力は濾過と温度管理に使われる。
――燃料がなかった。
被災地の重油・ガソリン不足は深刻で、人間が生きていくにも足りない状態。
この状況で、魚のために重油を買うなんてできるだろうか。
震災を生き抜いた魚は、バケツで水換えできて日本の気候に適応した金魚類。
それと、水質をあまり選ばず頑丈な肺魚ネオケラトドゥス。
哺乳類は究極檻に入れてトラックで運んでよその水族館や動物園に預かってもらって何とかしたのだが、カジキはそういうわけにいかなかった。
かつてのように潮目の海水槽にキンメモドキとカジキがいたら、俺はもう2度とよその水族館に足を運ばなかったかもしれない。
どうして俺は去年の秋にアクアマリンに来ていなかったのだろうか。
面白いのはここ、アジやメバルの入った釣り堀があって、「太公望券」を買うと釣りができる。
釣った魚はそのまま食堂でフライにしてもらえる。
メメント・モリ。日本人にとって魚は食材です!
もう1つメメント・モリ。
アクアマリンえっぐに、ウシガエルの死骸が展示されていた。
……九相図みたいに、朽ちていくさまを見せているらしい……
白骨になったら新しいウシガエルの死骸を入れるのか、ていうかそのウシガエル誰が捕まえてんの、いろいろと疑問は尽きないが考えさせられる。
次回はキンメモドキとカジキが復活した頃、レンタカーで行きます。
(※最寄り駅からバスに乗ったら運賃600円。
しかもバスの乗客にアクアマリン目当ての人がいない、と思ったら皆レンタカー駐車場に入れてた)
唐突に夜中の2時に腹が減ってしまうバカ姉妹。
夜型人間が災いした。
ホテル内の売店が閉まるのが10時。
「……空腹を抱えて眠るのはつらい」
「三線の方の店の前に自販機があったような? 流石に自販機は10時で止まったりしないだろ。……多分」
とても自信がないまま外に出る。
このとき俺たちはホテルの各室にごっついラジオつきの懐中電灯がある理由に気づいていなかった。
「く、暗い! 怖い!」
路上に灯りがホテルが立てた街灯しかない。
「何か明らかにホーホーいう声が聞こえてくるのは猛禽なのかな!?」
おかげさまで痴漢や物盗りに出会う気配はまるでないが、人間以外に出会ったときどうすればいいのかわからない!
昼間の明るいときならイルカはかわいいが、闇の中で聞くイルカの鼻息はすごい怖い!
(※江ノ水ナイトツアーの教訓)
……今から考えれば夜空の星でも堪能しておけばよかったのに、自然の猛威のことしか頭になかった。
南十字星とか1回も探してないぞこいつら。
思えばその前の晩、ロビーで無理矢理ネットを使わせてもらっていたとき、夫婦者がホテルマンに「ウミガメの産卵する浜」に降りるにはどうすればいいか尋ねていたのだが、嫁の方が「怖いよやめようよー」と及び腰だった。
あの嫁は正しかった。自然、怖い。
おかげさまで500メートルほど歩いてペットボトルのコーラを買って生還したが、何という付加価値の高いコーラであったか……
動物のお医者さんの合宿中にお腹が空く回、あれすごい怖い話だったんだな……
炭酸で腹が膨れた気になっているうちに速攻寝た。
不思議なのは田舎の自販機といえば夜にはハネアリにたかられているイメージがあったが、この自販機はそんなことはなかった。
代わりに蛾が多い。
何か見慣れない色だ。
客室の前の壁に灯りがあって蛾が飛んでいるので、ピンク色のヤモリがいつも同じ場所に貼りついていた。
灯りに集う蛾を食べていたのだろう。
さて満を持しての最終日は、台風がすぐそばに迫っていた。
「うわー……昨日までやってたツアー、シュノーケリングもトレッキングも全部中止だ……」
間一髪というより他ない。
やることがないので、折角だからウミガメの産卵に来る浜を散歩してみる。
「……おい。クラゲ注意の看板に心臓マッサージとか書いてあるぞおい」
「そういえばシュノーケリングの船、AED積んであったな……」
「おとん、昨日トレッキング中にハブの写真撮ったぜ……」
「何と余裕のあるおっさんだ」
蠅の王ベルゼブブ様もいたのかもしれない。
自然こわい。
砂浜は一面の白い砂にちょこちょこ穴が。
覗いたら中にカニが。
小さいのからわりとでかいのまで。和む。
本土なら絶対フナムシが出てパニックになるロケーションだ。
……しかし「犬厳禁!」なのに犬の散歩してたあのおっさん絶対現地人だと思うんだけど……
まあいいか、観光客が言うことでもない……
その後面倒になってホテルのプールに。
暑かったけどプールに入ると寒いのでプールサイドの寝椅子でごろごろ。
何かリゾートって感じだが。
「このプール、CSIマイアミなら絶対明日の朝はドラッグ中毒のセレブが浮かんでてサメが」
「せめて沙粧妙子の香取慎吾って言えよ」
何というサスペンスドラマ脳。
昼食に昨日の隠れすぎている喫茶店で名物田芋パイを食べたのだが。
田芋ってヤムイモとかタロイモとかサトイモとかそっち系統なのかねっちょりした食感で非常に腹に溜まりそうだ、と思っていたら。
囓るときに力みすぎてフォークの先を噛んで折ってしまった。
かなり焦ったが自分の歯は折れてなかった。
それはいいがフォークの先が見つからなかったけど胃に刺さったりしなかったんだろうか。
……しなかったんだろう、今元気なことを思うと。
打たれ弱いのか強いのかわからないこるものさん。
フォークの先、希望の後。
帰路は再び石垣島に戻り、飛行機に。
この石垣島行きフェリーがネックだった。
台風で一番に運行が止まるのがこれだが、台風が来てしまったらひどくなる一方で閉じ込められる可能性が。
クローズドサークルの恐怖が最後の最後で。
いやフェリー、動いたんだけどね。
大して何もしてないのに疲れ切って石垣島のA&Wで「飲む湿布」ルートビアを飲みながらフライドポテトとキャラメルワッフルサンデーを食べていたら、サンデーの中に沈んでいるワッフルがどう見ても
「小麦粉を何らかの形で加工成形・加熱したもの」
であるのは間違いないのだがワッフルには見えず、なぜかバカみたいに笑っていた。
かなり極限状態だったのかもしれない。
石垣空港でヤマネコの着ぐるみが2人のマネージャーに付き添われて(1人は先導、1人はしんがり)よろよろ歩いていたが、営業時間外っぽかったので何か気の毒で写真撮らなかった。
暑かったぞ……。
飛行機から見下ろす沖縄の海は、河口付近だけ赤土が広がる社会の教科書の写真そのまんまだった。
お疲れさまでした。
南国リゾート計画終わってないけど告知です!
THANATOS2巻『まごころを、君に』絶賛発売中!
乙女のために!
解説は千街晶之さん!
……なぜもっとミステリな巻を頼まない……
いやそうじゃなくて。
今年もメフィスト賞同窓会と本ミス大賞パーティーに行ってきました。
自分の『火蛾』が見つからなかったので
(妖怪本縛りが本を縛って物置に……
『黒い仏』と『痾』は見つかったから絶対あの地層なのに……
なぜ父親は本を縛ってしまうのか……
ちなみに父親は泡坂妻夫『しあわせの書』も縛って捨ててる絶対)
友人の美人人妻ナースの本にサインをいただいてきた。
フフフフフ。古泉迦十さんは宇山さんにもサインをしていなかったので、高田崇史さんのがサイン第1号、美人ナースのが第2号だ。
喜べ!(だから北山猛邦さんと今回もすれ違ってアリスミラー城にサインもらってないのは許して)
『メルカトルかく語りき』にもサインいただいたよ!
麻耶さんどーせならメルカトルのコスプレで現れないかなあ、と思ったら別の人が魔法少女になってて吹いた。
出版業界の自由さ……
(※トイレは計画的リフォームの途中なので心配しないでください)
「……親戚がオーストラリアに嫁に行ったけどさ。
グレートバリアーリーフに向けてダイビング免許取るべき?」
「妄想すんな。嫁入り先からグレートバリアーリーフ遠いっつーの。沖縄~北海道間より遠いっつーの」
「……てか、シュノーケリングの後ではとても海水水槽に手を出す気にならん……あれは……無理だ……」
「お前の妄想が1つ打ち砕かれてよかった」
ホテルでグースカ寝ていたこるものさんだったが、真っ昼間にいつまでも寝ているわけにもいかない。
というのは西表の夜は真っ暗。
店は全部6時には閉まる。
孫正義のビッグマウスによりiPhoneが多機能電卓と化している状況。
夜、眠れなくてもやることがないので昼間に遊ぶしかない。
「とりあえず昼メシだ!」
「でもメシ屋なんかあるのか?」
近所に2軒あるうちのもう1軒。
……ガイドブックで調べるまで店の看板だと思ってなかったので、「ちょっと隠れすぎな隠れ家レストラン」に向かう。
「……なあ。これ、ホテルの隣……」
既に大冒険の匂い。
ちなみにこの日、西表島では沢登りに出かけた地元の男性2名が行方不明。
消防団が総出で捜索しており、ラジオ、ホテルのツアー受付、シュノーケリングのガイドのあんちゃん、レンタカー受付のねーちゃん、飲み屋のねーちゃん、全員がその安否を気遣うと同時に
「よそ者は危ないことすんなよここマジで死ぬからな」
と全身全霊で俺たち観光客に釘を刺していたのだった。
(※ちなみにこの男性2名、普通に迷っただけで大した怪我もなく無事保護された。
大層いたたまれない思いをしただろう特に26歳無職の方)
そして俺たちの前に広がるジャングル。
とてもじゃないが1歩も道を外れる気にはなれない。
「第十の晩に魔女は蘇り、誰も生き残れはしない……
楼座、よく森に入って生きてられたな……
そりゃ九羽鳥庵のベアトも死ぬわ」
「ていうかこの森の脇道に入ってから大分経つのに、店が全然見えないぞ……」
孤島を買い上げなくてもクローズドサークルは作れる。
いや、2011年でも津山30人殺しは可能だと悟った。
森の中には、それこそNHKでしか見ないオオゴマダラとかアサギマダラとか何か黒い蝶とか翅が茶色いトンボ(チョウトンボ?)とか飛んでいる。
ちなみに、姉は農学部卒。
「……俺たちさあ、なまじなクイズゲーム程度なら協力して解ける程度の情報強者のはずなのにさっきから全然生物の名前がわからないぞ……?」
「生態系が……生態系が違う……」
昼メシ食いに行くだけのつもりだったのでカメラを持っていなかった2人。
すごい敗北感。
でも意外に蚊に刺されなかったのは幸運なの?
ここでダニにやられたら命の危険も覚悟した方がいいと思っていたが。
進化論学者ウィリアム・ハミルトンは2000年にコンゴでフィールドワーク中にマラリアで死んでる。
そしてたどり着いた店は、「昭和から時間の止まった喫茶店」。
俺は一応地元っぽいそうめんチャンプルーを頼むが、姉はどう見てもレトルトのカレー。
「それでいいの?」
「だってお腹疲れないか?」
「……まあ、確かに」
そうめんチャンプルー、ゴーヤ入ってたらどうしようかと思ったけど入ってなかった。
うまかったけど油がきついのと、豚肉入ってるのに謎の魚肉(シーチキン?)も入ってるのがすげえ不思議だった。
そして好き嫌いしてるわけではないのだがにんじんが余った。
昼メシを食い終えると、老父母と合流。
とりあえずホテルのレンタカーを借りて走り出すものの。
「これ……ナビ?」
受付のねーちゃんは「ナビはついていません」と言ったのだが、ナビのような液晶が。
しかし操作方法が全くわからない。
そもそも道が島を1周する1本しかない(脇道はほとんど私道か農道)ので現在地を示してくれるようだが、ときどき電子音を発するだけで何が何だかわからない。
しかも借りたニッサンマーチ、「走れればいいだろう」と言わんばかりにボッコボコに傷だらけなのはいいとして、ブレーキを踏むたび謎のブザーが鳴る。
確かに後ろの車にはブレーキを踏んだことを知らせるべきだが、踏んでる本人に知らせて何がしたいのか意図がよくわからん。
それでも異様に燃費のよかったこのマーチ。
返すときにガソリンを満タンにするのにかかった費用は800円。
ほぼ島を1周したのに800円。
レンタル代も入れると3800円。
いや、確かに美ら海は往復4時間で200kmばかり走ってる計算になるんだけど……
こうも違うの……?
とりあえず行くところはあんまり、ない。
「西表野生動物保護センター」なるところくらいしか目標がないが、閉館が4時。
出発したのは何だかんだで3時。
結構ギャンブル。
「まあほら。入っちゃえば追い出されるまでいていいわけだし」
↑シンガポールでこれをやったら、閉館の瞬間に電気を消されたことがある俺。
そうして走り出す。
……地元民の車が、ゆっくりか荒いかの2種類しかいない……
あんなに道を譲られたことってこれまでの人生にないぞ……
何せなにわナンバーはどんな状況でも笑顔で減速せずに突っ込んでくるし、実はメチャメチャ交通マナーの悪い京都の車間距離は5センチだからな……
「まあイリオモテヤマネコはランダムエンカウントしかないし、島の住民でも滅多に見れんって話だからあんまり期待しないとしてだ。
何か楽しいイベントあればいいけどなー」
と言った先から対向車線に何か落ちてる。
……ヤエヤマセマルハコガメだった。
行きすぎてものっそい慌ててブレーキ踏んで、カメラ持って戻ったらもういなかった。
「ちょ、ちょっと待って!? あのカメあっち向いてたよな!? 進行方向この辺だよな!? もう影も形もないぞ!?」
「ネコは無理でもカメは追いかけたら写真撮れると思ったのに!?」
「カメはええ!」
というわけで写真はない。
が、イベントとしてはオイシイ。
その後、地元民に倣ってゆっくり運転で道路を見つめたが、二度とセマルハコガメが現れることはなかった……
そうこうしているうちに野生動物保護センターへ。
交通事故に遭ったヤマネコを治療する目的の施設だが、治療ネコは展示していない。
映像のみ。
博物館でないので入館料無料で、電気はついててもクーラーが入ってない。
(※喫茶店はクーラーも料金分とばかりにガンガンかけてた)
博物館でないので学芸員でなく「スタッフ」
治療ネコの映像、「見たい方はスタッフにお申しつけください」と書いてあるもののスタッフの姿がない。
てかテレビを青画面でつけとくくらいなら、いっそ消すか映像流しっぱにするかどっちかにしろよエコ的に。
非常にやる気のない施設だが、置いてある資料は面白かった。
「なぜヤマネコは車に轢かれるのか? それは道路においしいものがあるから!」
車に轢かれた他の動物の死骸を食べてて、自分も車に轢かれるらしい。
他にも固有種の説明があって楽しいが、よく考えたら昼間の喫茶店のトイレのドアに
「こいつらは西表の固有種じゃありません! 危険外来種です!」
とカエルやイグアナの写真が賞金首の海賊の手配書みたくベタベタ貼ってあった。
おお、最後の聖域西表……
まあそれでも15分も見れば終わる。
次に目指すは仲間川のマングローブ林。
丁度、日暮れとともに潮が引き、シオマネキやらトビハゼが見られるはず。
そりゃ水族館どころか茨木観魚園でトビハゼとかマッドスキッパーとかムツゴロウとかバンバン売ってるけど、やっぱワイルド個体を見たいではないか。
「……え、でもこれ、仲間川、駐車場ないぜ? 海岸の浜辺の遊べそうなとこにはちょこちょこ“P”って路駐コーナーあったのに」
農道に迷い込んだり、遊覧船の駐車場に迷い込んだりしながら、そのたび地元の人に道を聞いて何とか生コン工場と墓場の間の超一方通行道路を上って川縁に到着。
人情が温かい!
墓場がすごい!
シーサーは墓に何か入るのを防いでるのか墓から出るのを防いでるのかどっちだ!
ここで生きてないものに出会ったら何のお経を唱えればいいんだ!
幸いヤギくらいしかいなかったけど!
野良? 飼い?
しかし川縁、降りるところがなかったのでズームしてもこんなん。
わかるか、白いのがシオマネキのハサミだ。
トビハゼに至っては跳んでるときしか存在を確認できない。
でも、「何かいっぱいいた」
「……俺、衝動的にマダガスカルとかガラパゴスとかに行く前に西表に来てよかった。
絶対、どこもここよりひどいに決まってる」
「こるものさんはこの旅で少し賢くなったね」
ぼくたーちのー中にーあるー小さーなー宇宙ー♪
大自然に圧倒された1日が終わる。
でもまだ旅行記は続く。
……書いてて思ったけど沖縄の人間にとって営業=三線を弾くってことなのか?
それはさておき。旅行3日目にしていよいよ本命。
シュノーケリングツアーだ!
ダイビング免許は持っていないので、シュノーケリング。
ホテルの一角にツアー受付があり、各種ツアーを申し込める。
老父母を「ガイド付き・滝の見えるトレッキングツアー」に送り出して、俺たちは水着にTシャツでガイドさんの車に乗り込む。
……ガイドさん。あの、道路には中央線って概念があるんですけど……
何でここの地元の車、皆ド真ん中を走るの?
小さな港から、船でバラス島へ。
カメラ忘れたので姉の携帯電話で撮影してもらったが、こんなの。
全部造礁サンゴのカケラ。
歩いてるとサンゴが沈んでバランス悪い悪い。
ウェットスーツとダイビングシューズをレンタルしたのだが、これはダイビングシューズでないと超危険。
「……この下、絶対土ないよな?」
「ていうか満潮だと沈むんじゃ? 台風来たりしたら大丈夫なの?」
「TRICKの年に1回しか浮かんでこない島ってこんなんなんじゃ……」
このサンゴ砂、ミカン袋に詰めて売ったらアフシクのレイアウトに便利だろうな、と言ってたら「お前はそればっかりだ」とつっこまれた。
そういえば俺はド近眼なのだが眼鏡をどうするのかと思っていたら、ゴーグルの内側に矯正レンズを貼りつけて使うのだった。
どうせ2時間くらいなので1番強いレンズをつけてもらったら丁度だった。
うーん文明って素晴らしい。
25mを泳ぐのがやっとの俺は、当然ツアー最初のアンケート「泳ぐのが苦手ですか?」の設問に「超苦手」と書く。
おかげでウェットスーツの上にライフジャケット着用。
水に入る前に死なないための心得を叩き込まれる。
「うつぶせのまま顔を上げたら口元が海水に浸かってパニックになるので、疲れたら仰向けで休んでください。
ライフジャケットで浮きますから。
とにかく慌てないでください」
慌てたら人間、足がつくとこでも死んじゃうからな……
そしてシュノーケルとフィンをつけ、浅いところで顔を浸けて息をする練習。
……もう何か魚いるんですけど!?
しけしけだったらどうしようという心配は杞憂だった。
むしろ、魚いすぎた。
10mも進めば、足のつくところに珊瑚礁が!
「……ちゅ、美ら海の熱帯海水魚水槽に感動した自分が馬鹿みたいだ!」
何のこたない、素材は全部目の前にあったのだった!
シュノーケリングと美ら海の順番が逆だったらきっと「金返せ」と暴れていた。
さあここで美ら海の熱帯水槽だ!
本物の珊瑚礁の密度はこんなもんじゃなかった。
枝サンゴ・テーブルサンゴ、みっっっっっっっっっっっっっっちり。
浅瀬のサンゴは褐虫藻で光合成するので、太陽光の当たらないところには生えない。
逆に言えば日の当たるところには足の踏み場もない、もとい足場に困らないほど。
そしてばらばらと魚が泳いでいる。
見慣れないと慌てるので、ルリスズメっぽい何かと何とかヤッコと何とかチョウチョウウオとホンソメワケベラと何かベラしか覚えてない!
全部色が派手すぎて、逆に特徴が残らない。
いっぱい見すぎて集中できなかったのもあるんだろう。
後でiPadの図鑑で調べたけどもうその頃には大体忘れてた。
くう、修行が足りない。
カクレクマノミはガイドのあんちゃんが指さして教えてくれた。
メインイベントなんだろう。
しかしどこまでもハードコーラルばっかり。
死んでるサンゴ群と生きてるサンゴ群が分かれてる程度。
なぜか右足ばっかり疲れて浮いてたら、波が強くなったというので別のスポットに移動。
ガイドのあんちゃんが海中からロープをたぐり寄せて船を固定する。
「じゃ、この辺で。足つきますから」
海のド真ん中ですけどー!?
でも本当に足は立つ。
生きてるサンゴ踏めば、だけど。
ちなみにシュノーケリングでは、うつむくとシュノーケルに海水が入って素人はパニックに陥ってしまうので、腹側は見るなと釘を刺された。
ゆえに、目標地点に頑張って近づくと……慣性や波でそのまま通りすぎてしまい戻れない。
しかもライフジャケットを着けているので沈めない。
詳細な観察はできない。
しかしこれで詳細な観察をしていたらきりがないとも言う。
足が疲れたので腕だけで向きを変えつつ、「動かないけど死んでませんよ」とアピールする消極的遊泳行動に移行。
それでもやっぱり疲れたので船に上がったら、「まだ時間あるけどバラス島に戻ります?」と聞かれる。
じゃあそれで、ということにして、バラス島に戻ったら、
「じゃ、後10分くらい適当に海とか見ててください」
……後10分なら切り上げてホテルに帰ってもよかったですよ?
疲労困憊して、手許のサンゴをサンゴと貝殻に分ける作業に没頭する俺たち。
ああ、童心に返るってこういうことね。
いやちょっと違う。
帰ったら風呂入って撃沈した。
まだ正午のことだった。
~まだ続く!~
ところで沖縄での交通手段は主にレンタカーだ。
運転は俺。
「この美ら海まで高速2時間って、信号とか全然なくて地元民は恐ろしい速度でカッ飛ばしてるけど2時間ってことか……?」
出発前悩んでいると担当P氏が
「那覇って皆車の速度ゆっくりですよ」
「そうなの? 北海道は150kmくらい平気で出すのに」
本当だった。遅い。
「高速教習含めて、人生3回目の高速道路がこんなにゆるいとは……」
そして、暑い。
湿度はさほどでないと聞いていたのに、明らかに蒸し暑い。
美ら海の隣のホテルを取ったのだが、無線LANがロビーしか入らないのでそこでノートPCでネット人狼やってたら汗だくになり、姉に白い目で見られた。
しかしこれはまだ序の口だったのだ。
ちなみにホテルは3階建てで、3階はプライムオーシャンビュー、2階はオープンオーシャンビュー、1階はパーシャルオーシャンビュー、
「……全部オーシャンビューやん!」
誰がそんなところでボケろと言った。
翌日は朝から那覇市内にとんぼ返り。
面倒くさいので1日目の昼食はロッテリアだった。
2日目の昼食は国際通りのそーきそば。
そしてイオンのフードコートでブルーシールのアイス。
何せイオンは駐車料金無料だったので那覇=イオンのイメージがついてしまうのであった。
那覇空港から石垣島に渡り、石垣島からフェリーで西表へ。
石垣島の滞在時間は、タクシー乗ってフェリー乗るまでの1時間くらいだったが……
……あの、タクシーの運転手さん。
営業に熱心なのはいいけど、安全運転してください。
いきなり三線弾き始めたときはどうしようかと思った。
ここから出して!
フェリーに揺られ、西表島を目指すものの、
「……これ、フェリー? これがフェリーなら新日本海フェリーはもっと恐ろしい何かだ」
台風の影響なのか、揺れる揺れる。
『うみねこのなく頃に』序盤戦人状態に。
実際、西表に着いてからもずっとうみねこのOPは頭の中で鳴り響き続けるのであった。
第十の晩に魔女はよみがえり、誰も生き残れはしない……
こうして深海系最強・汀こるもの、西表の地に降臨せり!
……フェリー乗り場の目の前がいきなり原生林に見えるのは気のせいなのかな?
フェリーのサービスでバス送迎がついていたのだが、最初の10分は
「すげー、ジャングルだー」
「すげー、海だー」
「すげー、マングローブだー」
「すげー、牛だー」
「すげー、馬だー」
「すげー、ヤギだー」
……30分後。
「全部飽きた」
しかも恐ろしいことに、30分で信号に1度も出会っていない。
それどころか道が分岐すらしていない。
海の上ではかすかにつながっていたiPhoneが上陸した途端完全にオフラインになり、「ただの多機能電卓」に成り下がった。
(※auはつながっていた)
「……美ら海、田舎だと思ってごめんな……
8km行けばローソンがあったんだから都会だったよ、あそこ……」
「てか何で西表なの」と思ったが、姉が「どうせ沖縄行くならてめーのあぶく銭でニラカナイおごれ」ということだったのだ。
何がすごいって、
「多種多様な生き物と共存しているので、窓を開けたまま外出はしないでください」
「この時期、近くの浜辺にウミガメが産卵に来ますので、邪魔しないようにお部屋のカーテンを閉めて明かりを漏らさないようにしてください」
近くの道路に「ウミガメを守れ!」の看板が立っている。
「……これ、サンクチュアリリゾートっていうか、サンクチュアリにリゾート建てちゃったんじゃ……」
俺の主義主張的に果たして本当にここでよかったものか、わき始める疑念。
ここ、リゾート地っていうか『ダーウィンが来た!』のロケ地やん。
しかしなぜかホテルのジュースは、西表よりも美ら海の方が高かった。
ていうか登山値段取られるかと覚悟した。
近所に食事のできる店は2軒しかなかったがむしろ「2軒もあった」というべきなのかもしれない。
うち1軒は料理は申し分なかったが、店主が三線でオンステージを始めてしまい、1曲目くらいはまあよかったが4曲過ぎた辺りから「いつ終わるんだよ」という趣になり、酒に弱い俺たちは結局完結しないうちに店を後にしたのだった。
まだ続く。